SST(ソーシャルスキルズトレーニング)
SSTとはSocial Skills Trainingの略で、社会生活を送る上で必要な対人関係や自己管理能力などを養い、身に付ける訓練です。「生活技能訓練」や「社会生活技能訓練」ともいい、認知行動療法の一つです。
子ども自身にとって「友達がほしい」「友達と仲良くしたい」「友達にわかってほしい」「友達のことを理解したい」ということは強い願いです。SSTはこれらの願いを実現していく方法を子どもたちと共に考えていく方法です。
発達障害のあるなしに関わらず、また精神疾患のあるなしにも関わらず、学校や病院で幅広く用いられている問題解決方法のひとつです。
また、企業のメンタルヘルス対策は大きな課題となっており、その一環として、社会的スキルの向上を目的としたSSTのニーズは高まっています。
望ましい行動を増やすときには、その行動の後に子どもにとってうれしいことを生じさせて、強化していくことができます。少し複雑でより望ましい行動を身につけるためには、強化のみならず、インストラクション、モデリング、行動リハーサル&フィードバック、定着化のための場面を設定するとよいとされます。
<インストラクション>
身につけたいソーシャルスキルがあれば、まず、そのスキルについて、教示(インストラクション)をします。そのスキルを身につけることがなぜ重要か、もしそのスキルを用いなければ、どのような問題が生じるのか、理解を深めることから始めます。
<モデリング>
新しい技術を身につけたいときは、その技術を身につけており、上手な人を観察することから始めます。ソーシャルスキルについても同じ過程をたどります。モデルを通じて、技術についての知識を得ます。
<行動リハーサル&フィードバック>
実際の状況を想定しながら、具体的な行動を疑似的に実行してみます。観察して学ぶのみではなく、実際に体を動かして、その結果どうなったか、フィードバックを受けることによって行動の方法を学習します。
<定着化>
実際の場面では、練習した行動をいつ使用したらよいのか、わからないことも多いです。そのため、日常生活に近い環境を設定し、練習した行動ができるようにプロンプトを与えます。また、家で、ホームワークとして練習することで、定着を促します。
「親子で成長!気になる子どものSST実践ガイド」金剛出版より引用